土壌汚染解明へ 地歴調査のステップ   |突沖

こんにちは。

㈱プラス・ワン・コーポレーションの突沖です。

本日は土壌汚染解明のために必要なステップである【地歴調査】についてブログにまとめていきます。


1. 土壌汚染とは何か

土壌汚染とは、人間の活動によって危険な物質が土壌に累積し、その土地が本来持つべき機能を失った状態を指します。自然界ではある程度の浄化作用が働き、汚染物質が分解・無害化されることもありますが、それを超える量の有害物質が土壌に入り込むと、土壌汚染という深刻な問題に発展するのです。

1.1. 土壌汚染の定義と基礎知識

土壌汚染とは、化学物質、重金属、放射性物質などの危険な物質が、土壌に不適切な方法で排出または漏出し、土壌の生物学的、物理学的、化学的性質を不利な方向に変化させることによって起こります。通常、健全な土壌は微生物の働きにより自然浄化される能力を持っていますが、汚染物質の量が多すぎたり、分解できない種類のものであったりすると、土壌は汚染され環境問題に発展するおそれがあるのです。土壌汚染は、人間の健康や農作物への悪影響だけでなく、地域の生態系バランスをも崩す可能性があるため、深刻な社会問題となります。

1.2. 主な土壌汚染の原因

土壌汚染の主な原因には、工業活動、農業活動、廃棄物の処理、都市開発などが挙げられます。工業活動では、製造過程で発生する有害な化学物質が適切に処理されずに土壌に滲み込みます。特に重金属や有機溶剤は、土壌に長期間留まる傾向があります。農業活動では、過剰な化学肥料や農薬の使用が土壌汚染を引き起こす場合があり、天然の生態系にも影響を及ぼしてしまいます。廃棄物の不適切な処理は、廃棄物が含む有害物質が地面に浸透して土壌を汚染することにつながります。また、都市開発による土壌の密封は、土壌の自然な浄化機能を阻害し、そこに蓄積された汚染物質により汚染が促進されることもあります。

1.3. 土壌汚染が及ぼす影響とは

土壌汚染が及ぼす影響は多岐にわたります。人間に対しては、作物や飲料水への有害物質の蓄積によって健康被害が発生する危険性があります。例えば、重金属汚染は中毒症状を引き起こすことがあり、子どもの発達障害やがんのリスクが高まることが懸念されています。生態系にとっては、土壌の微生物群や植物の多様性を損ない、それにより食物連鎖が影響を受けることもあります。これによって一部の生物種が絶滅し、生態系全体のバランスが崩れる恐れがあるのです。また、土壌汚染は土地の価値を低下させ、地域社会の経済にも悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、汚染された土壌から発生するガスによる大気汚染や、汚染物質が地下水に浸透することによる水質汚染など、土壌汚染は他の環境問題にも波及しています。

2. 地歴調査の目的と重要性

地歴調査とは、土地の過去の使われ方や土壌の状態を調べることです。開発前のリスクを評価したり、適正な土地利用計画を立てる際に重要な情報を提供します。その目的は、未来に向けた土地利用の安全性と持続可能性を確保することあります。

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2.1. なぜ地歴調査が必要なのか

地歴調査は、土地が過去にどのように使われたかを明らかにし、土地の潜在的なリスクを特定するために必要です。特に工業化された地域や農薬などが使用された農地では、土壌汚染の可能性が高くなります。こうした土地で新たな事業を計画する場合、地歴調査によって予期せぬコストや法的責任を避けることができるのです。環境と人の健康を守るという観点からも、地歴調査の必要性は非常に高いのです。

2.2. 地歴調査で得られる情報の価値

地歴調査で得られる情報は多岐にわたります。過去の土地利用履歴、遺された廃棄物や化学物質の存在、土壌や地下水の汚染状況など、開発を予定している企業や自治体にとって重要なデータが提供されます。これらの情報は、土地の価値を適正に評価し、将来の計画におけるリスク管理を行う上で不可欠です。地歴調査は、土地を最大限に活用するための重要な一歩となるのです。

2.3. 土壌汚染対策の第一歩

土壌汚染が疑われる土地での開発や活用に際しては、事前の地歴調査が不可欠です。これにより、汚染の原因や範囲、浄化に必要な手法を明らかにし、効果的な対策を打ち出すことが可能となります。また、地歴調査は、土壌汚染が未然に防ぐための法的基準を満たすための証明ともなります。全体として、土壌汚染対策を成功させるためには、地歴調査が最初のステップとなるのです。

3. 地歴調査の流れ

地歴調査とは、特定の場所の過去から現在に至るまでの歴史的経緯や背景を解明するための調査です。これは、歴史学、考古学、地理学など複数の学問が交差する研究フィールドであり、多様な方法が用いられます。地歴調査の重要なポイントは、史料の発掘から現代の地理情報システム(GIS)を活用した分析に至るまで、各ステップを慎重に進めることにあります。

3.1. 地歴調査開始前の準備

地歴調査の一番最初の段階として必要なのが、登記簿による地歴調査になります。登記簿による地歴調査は現在の謄本から過去に遡って謄本を取得しなければなりません。
この際、問題になってくるのが、昔の謄本(CP化に伴う閉鎖謄本、移記閉鎖謄本、土地台帳)は現地の法務局でしか取得できないということです。そして登記簿による地歴調査は、正確に【登記簿を読む力】が必要になります。そして、かなりの時間もかかってしまいます。準備作業は地歴調査の質と精度を左右するため、細部にわたる注意が払われるべきです。

当社であれば謄本を読み込む力があるスタッフが専任で担当しますので、安心してお任せください。

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3.2. 現地調査のプロセスと方法

現地調査は、地歴調査において最も重要なフェーズです。現地の地形や建造物、自然環境などを直接観察し、記録を取っていきます。方法は、地図作成、写真撮影、地表の採取、地形の測定など多岐にわたります。現地に何が存在するかを把握する上でこの段階は必要不可欠です。ドキュメントの作成には、観察された事象を客観的に記録することが求められます。また、現地で得られた情報は、後の分析において重要な証拠となるため、細部にわたり丁寧に行う必要があります。

3.3. データ収集と分析ステップ

データ収集のプロセスは、文献調査、口述歴史の収集、地理情報システム(GIS)のデータ利用など、多くの手法を含みます。これらのデータは、その後の分析ステップの基盤となります。将来のプロジェクトの方向性を定め、仮説を立て、結論に到達するための重要な情報源です。既存のデータを活用し、新しく収集した情報を組み合わせることで、総合的なアプローチが可能になります。分析は統計的手法を用いたり、時間軸に沿って事象を並べて考察するなど、方法は多岐にわたりますが、最終的には、調査の目的に合った結論を導き出すことが重要です。精度の高い分析を実施することは、地歴調査の成否を分ける鍵にもなるでしょう。

4. 地歴調査の法的規制とガイドライン

土地の歴史を知るための地歴調査は、さまざまな法的規制とガイドラインに従って実施されます。特に土地の利用歴や汚染の有無を確認する作業は重要であり、正確な情報が求められます。法的な枠組みやガイドラインを理解することは、土地利用の安全性を保障し、将来のリスクを防ぐために不可欠です。

4.1. 国内外の土壌汚染関連法規

国内では、土壌汚染対策法に基づき、特定有害物質による土壌の汚染状況を調査する義務があります。これにより、環境保全及び土地利用者の健康を守るための基準が定められています。一方、国外では、土壌保護に関連するさまざまな法律が存在します。例えば、アメリカの環境保護庁(EPA)では、包括的環境対応補償責任法(CERCLA)などの法律が規制を行なっており、適切な汚染対策が求められています。国によって法規が異なるため、国際的な取引を行う場合には、それぞれの国の法律に則した調査が必要です。

4.2. 地歴調査を取り巻く法的枠組み

地歴調査は、土地の利用者や所有者だけでなく、一般の公共利益にも関わるため、厳格な法的枠組みに基づいて行われます。日本においては、都市計画法や国土利用計画法によって、土地利用の適正化が図られ、その過程で地歴調査が実施されることもあります。これにより、過去にどのような活動が行われていたかが記録され、現在及び未来の土地利用の計画に反映されます。また、土壌汚染対策法は、特定の汚染物質に対する調査基準を設けており、土地の売買時にも重要な基準となっています。

4.3. 実践におけるガイドラインの適用

地歴調査の実施は、法律による基本的な枠組みのもとで行われますが、具体的な実施方法に関してはガイドラインが参考とされます。これらのガイドラインは、地歴調査の精度を高め、一貫性のある結果を出すための手引きとして作成されています。例えば、土地の購入前に、深さや採取方法など、確実なデータを得るための詳細な調査方法が定められています。また、調査結果の解析や評価基準も示されており、土壌汚染の有無を正確に判断するために用いられます。これらのガイドラインを適用することで、専門家は信頼性の高い地歴情報を提供することができるのです。

5 土壌汚染事例と事後管理

昨今、土壌汚染は地球環境に対する重大な懸念となっています。工業活動や農業に起因する化学物質の流出、これにより土壌が汚染されています。事例を通して学び、適切な事後管理が求められるのは、これからの環境保全にとって必須の課題であります。

5.1. 事例研究を通じた教訓

土壌汚染事例には、無数のケーススタディがありますが、共通して重要な教訓が引き出されています。ある事例では、工場からの有害物質が長年にわたり土壌に浸透し、地下水を含む周辺環境に影響を与えました。このことから、定期的なモニタリングと早期の汚染検出が如何に重要であるかが明らかになります。また、過去の事例では対処が遅れたために、生態系への深刻な影響が出た例もあります。予防策としてのガイドライン作成、事前のリスクアセスメントが汚染を最小限に抑えるためには不可欠であるといえるでしょう。

5.2. 事後管理のモデルと指針

事後管理には多様なアプローチが存在しますが、効果的なモデルを構築するためにはいくつかの指針を設けることが肝要です。まず第一に、汚染原因の究明を徹底すること。原因物質の特定は、適切な処理法や対策の立案に直結します。続いて汚染範囲の把握、これを通じて必要な処理施設や装置の規模を決定し、経済的な運用計画を策定します。さらに、地域住民や関係機関との積極的なコミュニケーションを行い、事後のフォローアップを怠りません。土壌汚染のリスクモニタリングは、一度の処理で終わるものではなく、長期にわたる取り組みが必要です。適切な事後管理は未来の環境を守る重要なステップであると同時に、さらなる汚染の予防へと繋がります。

5.3. 連続する地歴調査の必要性

土壌汚染への対応において、汚染地の歴史、すなわち「地歴」の把握は欠かせません。地歴調査により、土地の過去の利用状況や潜在的な汚染源を明らかにし、リスクアセスメントの精度を高めることができます。たとえば、過去に工業用地として使用されていた土地が住宅地へと変わる場合、地歴調査は汚染リスクの識別に不可欠です。汚染が確認されれば、適切な浄化措置が行われるべきですが、そのためには年月をまたぐ継続的な調査がなければなりません。また、地域の自然条件や歴史的背景に応じた調査方法の開発も、このプロセスをより信頼性の高いものとするために不可欠な要素です。高度な地歴調査は土壌汚染への理解を深めると同時に、未来への教訓としても機能します。


いかがでしたか?

地歴調査を行うにあたって最初に行うのが、登記簿による地歴調査です。
そして、全国の登記簿がどの法務局でも取得できる時代であるにもかかわらず、昔の登記簿(コンピューター化に伴う閉鎖謄本・粗悪移記閉鎖・土地台帳)はその不動産を管轄している法務局でしか取得できません。当然インターネットでも取得できません。

法務局が近くであればいいのですが、遠方になると交通費、人件費、移動時間等が非常にかかります。
筆数が多くなると、その日の内に登記簿が取得できないもあります
その時は宿泊費も・・・。

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